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PART1:通関事情

 N:日通NECロジスティクス M:三井住友海上火災保険(株)様


N:
最近尖閣問題の対立を受けて、中国税関で日本製品の通関検査が強化されていますが、保険会社の立場から中国における通関時のリスクについて教えてください。 


M:
中国の輸入通関時の税関検査は厳格に行われており、バリア梱包(※1)を破って内容物を確認することもあります。
このようにバリア梱包が破られたり、移動、転倒防止の保定材が取り除かれると、輸送中に被害が発生する可能性があります。また、検査中の作業の不注意で、貨物そのものが損害を被る場合もあるんです。


N:
そうなんですね…。確かにそのようなリスクは無視できませんね。
ただ、そのお話だけだと仮に発生したとしても、そんなに大きな損害につながる事は無さそうなので、もしも起きたらアンラッキーとして割り切るしかないような気もしますが・・・。


M:
実は必ずしもそうではなく、大損害に発展してしまうケースもあるのです。
例えば、コンテナ40本近い設備機械を一度にまとめて通関申請したところ、そのうちの一本に入っていたサンプルの半完成品が申告内容と異なるとの理由で、結局40本全量の通関が滞り、その間、本体の機械に錆損が発生し、工場立ち上げの大きな支障になったなどの事案も発生しております。
物流企業としても、可能な限りの対策は講じる必要があると思います。


N:
なるほど。確かにそのリスクは無視できないですね。
でも防止策と言っても荷主やフォワーダーの努力で防げるようなリスクではないような気がするのですが・・・。何か有効な対策はあるんでしょうか?


M:
確かに税関リスクは抜本的な防止策はなかなか難しいリスクであると言えると思います。
しかし、以下のような対策を講じる事は可能です。


1. 荷主の立会い

特殊な貨物や高付加価値品の場合、フォワーダーだけでなく荷主も立ち会う事が望ましいと言えます。
具体的には内容物である商品に詳しい荷主の通関士が説明を行い、包装資材、バリア梱包が破損されないように税関に協力を要請する、万が一バリア梱包が破られた場合、荷主が自ら直ちに梱包を補修する等の対応が重要です。
また、バリア梱包が破損された場合は、大量の乾燥剤を投入し、開封口を密閉し、速やかに目的地まで輸送する必要があります。


2. 通関書類の正確な記載

機械の型番、銘板に記載された情報と申請書類上の情報に齟齬があると、貨物が留め置かれてしまう場合があります。この場合、梱包の補修が許されない可能性も高いので注意してください。


3. 梱包の改善

機械の型番、銘板の位置の梱包を外装に明示することで、銘板確認のために切られる部分が最小限に抑えられ、その後の梱包補修作業が容易になります。梱包の外側から中身貨物が見える様な工夫やマニフェストをコンテナドア内側に提示する事で注意喚起するのも有効策の一つです。
中国では従来の計画経済から1978 年の改革開放を機に始まった資本主義への移行後の経済発展が著しく、 2001年のWTO(世界貿易機関)加盟後はさらに成長が加速しています。これに伴い物流産業の伸びも著しく、2010年のGDP、387、983 億元の18%を占めるまでに比率も高まっています。
最近は物流の重要性も次第に理解されるようになり、「現代物流」と呼ばれるロジスティクスやサプライチェーンの概念も少しずつ浸透してきました。国家としても物流産業の育成に力を入れています。例えば、大学に物流講座をつくって人材育成を図ったり、ますます高度化・複雑化する荷主ニーズに応えるために「物流士」の国家資格を設けたりしています。


N:
フォワーダーと荷主が協力して十分な対策を講じる事で被害を最小限に抑えられるケースが多いという事ですね。
今回の尖閣問題による対立が落ち着いてきたからと言って、通関時のリスクがなくなるわけではない事はよく理解できました。今後は、可能な限りの防止策を取っていきたいと思います。


(※1)バリア梱包: 輸出梱包において輸送中に製品の錆を防ぐためにおこなう内装方法です。

 

教えて!損保さん「中国編」Part1

PART2:品質事情

N:日通NECロジスティクス M:三井住友海上火災保険(株)様

N:タイの洪水で日系企業が甚大な被害を受けましたね。
当社も、お客様にご迷惑をお掛けしないように全社を上げて対応させて頂きました。
ところで、中国でも洪水による被害が意外とありますが、報告は上がっていますか?


M:
そうですね。
仰るとおり、中国でも毎年のように各地で洪水が発生しており、特に華中地域、華南地域等の長江流域の低地においては大洪水に発展する可能性もあります。そのため、倉庫内保管中の貨物の洪水対策は中国においても極めて重要なんですよ。


N:
洪水は、中国においても決して無視できないリスクであるという事で、当社も日頃から準備しておりますが、他社はどのように対応されていますか?


M:
基本的には御社と同じと思いますが、水濡れに弱い一般貨物は2階以上の高層階もしくはラックの上段で保管する、一階での保管となる場合も床面が十分な高さにない場合にはパレットを段積みした上に保管する等、一定の高低差を確保する事を行なっています。
また、老朽化のため排水設備が十分に機能せず、大雨時床面に水が溢れる場合があるため、メンテナンスの行き届いた信頼できる倉庫を起用する事も重要な点ですね。


N:
なるほど。洪水以外にも、中国では野積み保管によって貨物が降雨にさらされる事がよくあると聞きますが・・・。


M:
仰る通り、中国では特に空港において野積み保管が常態化しており、地方空港ほど保管状況は悪くなります。
また、防水シートの品質が悪くシート掛けが不十分なケースも多々あります。対処法としては、カバーリング作業要領に関して十分な説明と注意喚起を行い、商品が高額である場合には二重にカバーするよう指示する事が挙げられます。また、野積保管され、中身カートンが濡れる事はある程度覚悟し、可能な限り耐水性の強い包装とする事も重要だと思います。


N:
お客様からお預かりした大切な貨物を大損害から防ぐ努力は当然だと思いますが、そのためには、状況に応じて手間とコストを掛ける必要があると言う事を、荷主様に理解して頂く努力も必要だと思っています。空港の場合をお話し頂きましたが、港湾の状況でも同じ事が言えますよね。


M:
そうなんです。港湾においても倉庫スペースの不足から野積み保管される事が頻発しています。
例えば、中身が鉄鋼コイルであるにも関わらず野積み保管され、錆が発生してしまうといった事故も起きているため、物流業者と貨物の特性について事前協議を行い、必ず屋内保管とするよう強く要請する必要があります。止むを得ず野積み保管となる場合も、必ずスキッドやパレットなどのダンネージを敷き、地面には直置きしないよう指導したりしているようです。中国港湾ではメンテナンス不十分で路面に凹凸が発生しており、降雨時に水溜りができるため特に注意が必要です。


N:
そうですね。やはり事前にリスクを正確に把握して、荷主様と綿密な事前打ち合わせを実施する事が、この種の事故を防止・軽減するためには必要不可欠という事ですね。言い換えると、それが我々物流業者にとっての責任だと言えます。

教えて!損保さん 中国編PART2 


Part3:国内輸送事情

 N:日通NECロジスティクス M:三井住友海上火災保険(株)様


N:
今回は中国における陸上輸送について、お話しを伺います。海外に行くと日本に比べて運転が荒く、車も傷だらけになっていたりしますよね。「輸送距離が長ければ長いほど、積んだ貨物が破損する」なんてウワサをよく耳にしますが、国民性や文化にも影響しているのでしょうか?


M:
中国では、歩行者、運転者双方のマナーが良いとは言えず、交通事故は頻発しています。特に急な割り込みや歩行者の飛び出しが多く、急ブレーキを掛ける頻度が高く、貨物へのダメージが高い傾向にあります。


N:
やはり・・・。運行管理者は、日本にいる時以上に細心の注意を払う必要があるという事ですね。
道路事情も、日本とは全く違いますしね。でも、日系企業は”日本品質”を海外でも要望されてますから・・・。


M:
現在、都市には必ずといってよいほど「開発区」というものがあり、林を切り開き計画都市が建設されています。こうしたところでは、都市設計もしっかりなされています。
道路については、例えば一般道路は片側2車線+分離帯を挟んでバイク・自転車の専用道路+歩道というのが一般的です。路面は場所によってセメントもしくはアスファルトで、側道側への傾斜と排水溝により水たまりができないように配慮しているところも多いです。
一方、旧市街地や建設後年数の経った道路では、段差があるところや、簡易舗装路のアスファルトがはげ、砂利交じりになるところもあり、日系工場の前の道路でもそうしたところを見かけます。


N:
そうですね。当社も、正確な道路状況を把握した上で輸送ルートを考えるようにしています。道路状況があまり良くない事が予め分かっている場合は、梱包材を強化したり、積み付け方法にも注意が必要ですよね。他に中国の課題としては何が感じておられますか?


M:
車両整備不良が挙げられますね。
トラックの質は日本に比べて劣り、利用方法も荒いため、5年経過時点でも日本の15~20年使用のトラックと同程度傷んでいます。路上で故障しているトラックを見かける事も少なくなく、極端に磨り減ったタイヤで走行しているトラックもあります。その他、積載重量違反・高さ制限違反が日常的に行われている事も課題として挙げられます。


N:
世界2 位の経済大国の割にはルール無用って感じですね・・・。
実際に起こった事故としてはどのようなものがありますか?


M:
一例ですが、事前の物流設計の内容がドライバーに伝わっていない状態で、フラットラックコンテナ積み工作機械を陸揚港から工場までトラック輸送した際に、交通渋滞回避のため、事前に設定されたルートを離れ裏道を走行した結果、道路を横断する橋桁に機械上部が激突し大破した事案がありました。


N:
そうなんですか。
当社では、ドライバーに輸送スケジュールを伝え、決められたルートを順守するように指導を、また突発的な状況変化の際には、自分で判断せず連絡・相談するように教育しています。
ただ、日本人ドライバーのように常にルールを守ってくれるとは限りませんけど(笑)


M:
そうですね。中国では常時どこかで工事が行われており、正確な道路状況が把握しにくい状況にあります。
運行計画設計時には2~3ルートを確保し、迂回せざるを得ない場合にドライバーが独断でルートを選定しないよう徹底する必要があります。荷主としても緊急の問い合わせに対応できる連絡体制を物流会社に伝えておく事が重要と考えています。


N:
仰るとおりですね。
不測の事態が発生してもスムーズに対応する事が出来るように、日頃からリスクコントロールできる体制や、ルールを決め、荷主と物流業者で共有しておくことが必要ですね。
どうもありがとうございました。

教えて!損保さん 中国編 PART3

保険に関するお問い合わせ先

三井住友海上火災保険株式会社 総合営業第2部第4課

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電話
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