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PART1:タイの物流リスク

 N:日通NECロジスティクス M:三井住友海上火災保険(株)様


N: ASEANのほぼ中心に位置するタイは、国内の市場規模やコスト競争力、近隣諸国へのアクセスの良さなどから、数多くの日系企業が進出しています。特に東日本大震災以降、海外進出の動きが加速し、有望な投資先としてのタイの関心は、ますます高まってきていると思います。
こうした中、2011年秋には過去最大規模の洪水が発生し、日系企業を中心に、まさに未曾有の損害がありました。これにより、タイへの投資動向が心配されましたが、それでもなお、現在のところ日本からの直接投資は洪水発生前と変わらない状況にあるようです。
今回は、このような背景を踏まえてタイでの物流リスクと洪水リスクについて、2回に分けてお話を伺いたいと思います。

 

M: それでは、まず物流リスクについてご説明します。
タイでの物流リスクは主に①水漏れリスク②破損リスク③盗難リスクに分類されます。
始めに、水漏れリスクについてです。
タイは、年間を通じて降雨量が多く、特に6月~10月の雨季には、大量の降雨があります。LCL貨物や航空貨物の防水対策、向上の入出荷ヤードでの降雨(庇の長さ・シャッター)が求められますね。
また、年間を通じて多湿な気候であることから、機械類の錆対策も入念に行う必要があります。機械の摺動部分など、塗装を施すことができない部分の対策、湿気を嫌う貨物のバリア梱包での輸送などが求められます。
輸入貨物の早期引取りなど、物流を迅速に完結させる努力も必要ですね。

 

N:そうですね。降雨による水漏れや錆対策は物流会社にも当然のように求められる責任ですよね。
破損リスクについてはいかがですか?タイの物流インフラレベルは上がっていると聞いていますが。

 

M: おっしゃる通りです。タイの主要港湾の設備・道路等の物流インフラは日本と同等のレベルまで整えられつつありますが、荷扱いの丁寧さ、貨物の特性まで理解したハンドリングという意味では、日本ほどのレベルは期待できません。対策としては、コンテナ内での固縛の強化、パレットの設計強度見直し、貨物のシュリンクラップを用いた固定(パレットとも一体化させる)などが求められますね。

 

N: なるほど。 レベルは上がっているとはいうものの、まだまだ十分な対策が必要なことが分かりました。
最後に、盗難リスクはいかがですか?タイは周辺国に比べて、強盗や窃盗の頻度は低いと聞きましたが。

 

M: それでは、盗難リスクについて輸送中リスクと保管中リスクの2つに分けて説明しましょう。
まず、輸送中についてですが、おっしゃる通り、トラックを狙った強盗・窃盗の類の発生頻度は、周辺国(マレーシア・ベトナム・インドネシア等)に比較して低いといえます。しかしながら、高価品や汎用性のある物品については、トラックのドライバーが窃盗団と通牒して窃取する事案が報告されています。
従って、トラック会社の選定には注意が必要ですね。

 

N: 周辺国に比べてリスクが低いとはいえ、安全なトラック会社を選定しなければいけませんね。
保管中の発生頻度の高い盗難はどのようなものでしょうか?また、先ほどと同じようにトラック会社と共謀するようなケースがあるのでしょうか?

 

M: 比較的発生頻度が高いのは、倉庫や工場の部品庫・製品庫での盗難です。この場合も、暴力的な襲撃(強盗)という方法を用いず、保管場所の従業員・トラックのドライバーが通牒して少しずつ窃取するという手口が多く、工場で棚卸しの際、欠品が多い事に気付く、というパターンが一般的です。
従業員教育に加えて、工場・保管場所の入出門時のトラック荷台の検査、保管場所への監視カメラの設置など、会社としてかかる犯罪を許さない姿勢を示すことが肝要ですね。

 

N: なるほど。タイの物流リスクについて、よく分りました。
次回は、洪水リスクについてお話を伺います。

 

PART2:洪水リスク

N:日通NECロジスティクス M:三井住友海上火災保険(株)様

N: 前回は、タイの物流リスクについて伺いました。今回は洪水リスクについてお話を伺います。
当社も海外現地法人がありますし、洪水対応などは記憶に新しいところです。始めに、具体的な被害状況からお話いただけますか?

 

M: 洪水発生県は、77都県中44都県。死亡者数は約668名でした。
経済への影響として、2011年実績GDP 2.3%減と言われています。

 

N: タイ国内半分以上の県が被害にあっているのですね。原因は何なんでしょうか?

 

M: 原因は様々ですが、まず地理的要因が大きいと考えられます。
タイ中部の平原は、チャオプラヤ川とその支流が形成した広大な沖積平野であり、地形としては北米ミシシッピ川下流域の平野部などの地形に似ています。これら大陸型の沖積平野の特徴として、上下流での高低差が極めて小さい事が挙げられます。例えば、北部ムアンナコーンサワンから首都バンコクまでは約370kmの距離がありますが、その間の標高差は20mしかありません。また、アユタヤとバンコクの高低差は僅か数メートルに過ぎず、河川の水流は極めて弱いようです。
さらに、タイを含むインドシナ地域の基礎表土は赤土であり、その特性上、もともと保水力が弱いようで、日本で洪水が発生した時に数日で水が海へ流れるのと異なり、ちょうど平らなテーブルの上に水を溢したのと同じように、水はその行き場を持ち合わせておりません。
本件、洪水の原因を考えるにあたっては、まず、これらの地理的な環境要素を考えておく必要がありますね。

 

N: なるほど。地理的要素が高い事が分りました。政府は治水対策を打ってこなかったのでしょうか?

 

M: タイ国政府はかねてよりチャオプラヤ水系の洪水リスクを認識しており、タクシン政権は、総額4兆円を超える治水事業を計画していましたが、政権崩壊後、新政権は政争に労力を費やし、治水計画対策どころではなくなってしまいました。また、各工業団地においても十分な対策を取らないまま過ごしてきたため、側溝等の対策は取られているものの、防水壁のような根本的な対策は不十分であったようです。
このような臨界点にある状況下で、平均値を50%上回る降雨があり、臨界点を越えた溢水が、一気に中部平原だけで12万平方キロ、タイ全土では23万平方キロという広大な面積を覆ったと表現するのが適切ですね。

 

N: 本件の対応の中で、被害を抑制することは出来なかったのでしょうか?

 

M: 直接の原因はチャオプラヤ川上流でのダム放流といわれています。昨年お乾季が水不足であったため、今年は本来一定レベルに達したら放流すべきところを貯水し、水量が予測を超えたために複数のダムが同時に大量放水しました。また、水がアユタヤに接近するに至って、近隣県で自己の災害を回避するためにダムや水路の水門を開放するといった行動が見られ、これが被災面積を拡大させました。
政府の災害予測が正確にできなかったことや、気象レーダーの老朽化が放置されていたことも要因であり、最新機器の早急な整備も求められます。

 

N: なるほど。今回を機に、タイ政府も対策を打っていると聞きますが。

 

M: おっしゃる通り、タイ政府は、洪水対策の単一指揮機関として「SCWRM(Strategic Committee for Water Resources Management)」を立ち上げ、洪水からの復興および再発防止に向けた取り組みを検討、実行しています。再び同様の災害を起こさないため、洪水をコントロールする体制の構築が期待されますね。

 

N: そうですね。今回はタイのリスクに関してのお話を伺いました。
どうもありがとうございました。

 


教えて!損保さん タイ編PART2 

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