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2026年4月版 物流マクロ市況レポート- 主要物流指標の最新分析 -

作成者: NECL|2026.06.02

物流マクロ市況|5分でトレンド把握!
2026年4月版 物流コストと資材価格の最新レポート


変化の激しい物流市況をデータで読み解く「物流マクロ市況レポート」の2026年4月版をお届けします。
・海上運賃は前年同月比+26.2ポイントと大幅上昇
・段ボール、梱包用木材が最高値を更新
・電力も補助終了に伴い4月から上昇へ
など、今、把握しておくべき9つの重要指標を取り上げ分析しました。本レポートでは、公的統計データに基づき、不透明な市況の「今」を客観的に可視化しています。複雑な市況環境を整理し、安定した物流運営を継続するためのヒントとしてご一読いただけますと幸いです。

物流関連指標


物流に関する次の9項目の市況をご紹介します。

・道路貨物輸送、宅配便、海上貨物輸送、航空貨物輸送価格指数
・原油価格(輸入)
・小売軽油価格
・倉庫価格指数
・事業用電力、都市ガス、上水道価格指数
・全国最低賃金
・ナフサ価格(輸入)
・プラスチックフィルム・シート価格指数
・段ボール箱、梱包用木材価格指数



◆道路貨物輸送、宅配便、海上貨物輸送、航空貨物輸送価格指数

こちらの図1は、日本銀行の「企業向けサービス価格指数[2020年基準]」のデータから作成したグラフです。
航空/海上貨物輸送運賃は上昇基調で、3月は前年同月比で航空が+8.8/海上が+26.2ポイントの上昇となりました。ホルムズ海峡回避に伴う航海日数の長期化等によるスペース不足と、燃料コスト増が要因です。
道路貨物輸送は前年同月比で+3.2ポイント、宅配便は+1.7ポイントの上昇となりました。

[図1]道路貨物輸送・宅配便・海上貨物輸送・航空貨物輸送価格指数

出所:日本銀行 企業向けサービス価格指数データ
https://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/cgi-bin/famecgi2?cgi=$nme_a000&lstSelection=PR02)より当社作成(指数は最高値を使用)
※「企業向けサービス価格指数」とは、企業間で取引されるサービスに関する価格の変動を日銀が測定したもの。企業間での個々の商取引における値決めの参考指標としても利用されている。



◆原油価格(輸入)

こちらの図2は、財務省の貿易統計から作成した輸入の原油価格の推移です。
2025年11月より下降基調にありましたが、2026年3月は国際情勢不安による原油価格高騰の影響により上昇しました。3月は67,695円/キロリットルで、前月比では+5.1%上昇、前年同月比では▲9.5%下降となりました。

[図2]原油価格(輸入)

出所:財務省 貿易統計 概況品別統計品目表(輸入) (https://www.customs.go.jp/toukei/info/tsdl.htm)より当社作成
※原油(HSコード270900900) ※確報値



◆小売軽油価格

こちらの図3は、資源エネルギー庁の石油製品調査の週次データから作成した小売軽油価格の推移です。
国際情勢不安から一時急騰しましたが、政府の激変緩和措置等により、2026年3月下旬から上昇が抑制されました。前年同月比では▲5.2円の減少となりました。

[図3]小売軽油価格

出所:経済産業省 資源エネルギー庁「石油製品価格調査」
https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/petroleum_and_lpgas/pl007/)給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油)の週次ファイルより当社作成。
※九州局の価格が高い理由:離島の多い長崎県および鹿児島県が引き上げている。製油所からの輸送コストがかかっていることが主要因。(日本の製油所は関東・関西に集中)



◆倉庫価格指数

こちらの図4は、国土交通省の不動産価格指数から作成した倉庫と工場の価格指数のグラフです。
2025年第4四半期の倉庫の価格指数は、全国は前四半期比▲1.5%の減少、三大都市圏は前四半期比+6.5%上昇となりました。
工場は、全国は前年四半期比▲6.5%の減少、三大都市圏は前年四半期比▲11.4%の減少となりました。

[図4]倉庫価格指数

出所:国土交通省 不動産価格指数(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000085.html
より当社作成(季節調整値を使用)。
※三大都市圏:南関東圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)、名古屋圏(岐阜・愛知・三重)および京阪神圏(京都・大阪・兵庫)の統合。



◆事業用電力・都市ガス・上水道価格指数

こちらの図5は、日本銀行「国内企業物価指数[2020年基準]」のデータから作成したグラフです。
1-3月は政府補助により減少傾向にありましたが、4月は上昇となりました。

[図5]事業用電力・都市ガス・上水道価格指数

出所:日本銀行 国内企業物価指数データ
https://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/cgi-bin/famecgi2?cgi=$nme_a000&lstSelection=PR01)より当社作成(指数は最高値を使用)
※「国内企業物価指数」とは、国内で生産した国内需要家向けの商品(財)が対象。生産者段階における出荷時点の生産者価格を日銀が調査したもの。



◆全国最低賃金

※前回の物流マクロ市況2026年1月版から変更ございません。

こちらの図6は、厚生労働省の全国最低賃金の推移です。最低賃金とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定めたもので、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとされています。

政策により最低賃金は上昇中です。2025年度は全都道府県が1000円を超える水準となりました。
政府は2020年代で1500円にする目標を掲げています。

[図6]全国最低賃金

出所:厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/)より当社作成 ※全国最低賃金は加重平均による算出。



◆ナフサ価格(輸入)

ナフサはポリエチレンやポリプロピレンといったプラスチック等の原料で原油から精製されます。物流でよく使用する資材類の原料となります(図7ご参照)。

[図7]ナフサを原料とする石油化学製品から出来る物流包装資材


こちらの図8は、財務省の貿易統計から作成した輸入のナフサ価格の推移です。
国際情勢不安等から急騰し、3月は66,069円/キロリットルで前月比+3,176円(+5%)と上昇しました。前年同月比では、▲4,210円(▲6%)と下降しました。

[図8]ナフサ価格(輸入)

出所:財務省 貿易統計 概況品別統計品目表(輸入)(https://www.customs.go.jp/toukei/info/tsdl.htm)より当社作成(確報値を使用) ※ナフサ(HSコード271012181)

 

◆プラスチックフィルム・シート価格指数

こちらの図9は、ストレッチフィルムを含むプラスチックフィルム・シートの、国内出荷の価格指数と輸入の価格指数の推移です。先述の事業用電力などと同様の日本銀行「国内企業物価指数[2020年基準]」を使用して作成しています。

中東情勢不安による原油価格高騰や原料であるナフサの供給不安などで価格が上昇しています。
生産者段階における出荷時点の価格指数(国内企業物価指数)は、128.8で前月比および前年同月比で+7~8%の上昇となりました。輸入物価指数では、円ベースは161.4で前月比+12%、前年同月比で+21%と大幅に上昇。契約通貨ベースは前月比および前年同月比で+11%の上昇となりました。

[図9]プラスチックフィルム・シート価格指数

出所:日本銀行 国内企業物価指数データ
https://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/cgi-bin/famecgi2?cgi=$nme_a000&lstSelection=PR01)より当社作成(指数は最高値を使用)
※「国内企業物価指数」とは、国内で生産した国内需要家向けの商品(財)が対象。生産者段階における出荷時点の生産者価格を日銀が調査したもの。



◆段ボール箱・梱包用木材価格指数

こちらの図10は、段ボール箱や梱包用木材といった物流で使用する資材の価格指数の推移です。
2021年のウッドショック*から急上昇し、そのまま高水準で推移を続けています。
梱包用木材は、2~4月にかけて151.6の最高値で推移しています。また、段ボール箱は、4月に126.0と最高値を更新しました。

*ウッドショックとは:2021年、コロナ禍による需給バランス崩壊やコンテナ不足、米国の住宅需要急増等の要因で木材が高騰。輸入材の代替えとなる国産材も需要が高まり価格が上昇。現在も輸入材の価格上昇、供給量が不安定なことにより、ウッドショック前の水準に戻らず。

[図10]段ボール箱・梱包用木材価格指数

出所:日本銀行 国内企業物価指数データ
https://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/cgi-bin/famecgi2?cgi=$nme_a000&lstSelection=PR01)より当社作成(指数は最高値を使用)
※「国内企業物価指数」とは、国内で生産した国内需要家向けの商品(財)が対象。生産者段階における出荷時点の生産者価格を日銀が調査したもの。


以上、ここまで『物流マクロ市況』をお届けしました。お読みいただきありがとうございました。
各データの公表時期が分かれるためデータの時期にばらつきはありますが、現在の状況把握のお役に立てればと思います。今後もさまざまな視点から物流マクロ市況をレポートしていきたいと思いますので、次回もお読みいただければ嬉しく思います。

※なお、当記事でご紹介するデータは記事作成時点(2026年5月26日)で公表されているものです。公表後に修正される可能性がございますので、ご利用の際は情報元にアクセスいただきご確認頂くことをおすすめいたします。