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脱炭素化へ変化する港湾 カーボンニュートラルポートについて

目次

     

     
     

    脱炭素化へ変化する港湾 カーボンニュートラルポートについて

    世界的に、SDGsやESG投資への関心も高まり、サプライチェーンの脱炭素化に取り組む企業が増える中、港湾も脱炭素化へ取り組み、変化しようとしています。

    今回は、日本の港湾におけるカーボンニュートラルポート(CNP)の形成、認証制度等をお伝えします。

     

    カーボンニュートラルポート(CNP)の形成

    2020年に経済産業省等が「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。今後の産業として成長が期待される重要分野として14産業の実行計画が作られましたが、その中の1つとして「物流・人流・土木インフラ産業」ではカーボンニュートラルの形成に関する事項が盛り込まれました。

    カーボンニュートラルポートを形成していくことで、2050年までに港湾(周辺の臨海部産業を含む)におけるカーボンニュートラルの実現を目指しています。

    カーボンニュートラルポート(CNP)とは、
    水素・燃料アンモニア等の大量・安定・安価な輸入を可能とする受入環境の整備、国全体でのサプライチェーンの最適化
    荷役機械、船舶、大型車両等を含めた港湾オペレーションの脱炭素化
    臨海部立地産業との連携を含めた港湾地域における面的な脱炭素化
    を通じて温室効果ガスの排出削減に取り組む港湾のことです。

    カーボンニュートラルポートの形成イメージ

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    出典:国土交通省「カーボンニュートラルポート(CNP)」https://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_tk4_000054.html

    国土交通省港湾局の「カーボンニュートラルポート(CNP)の形成に向けた検討会 (第1回) 資料」によると、日本の港湾は、輸出入貨物の99.6%が経由する国際サプラチェーンの拠点となっており、CO2排出量の約6割を占める産業(発電所・製油所・鉄鋼等)の多くは、港湾・臨海部に立地しています。またこれらの産業が使用する資源・エネルギーのほぼすべてが港湾を経由しており、CO2排出量の削減を行うには、カーボンニュートラルポートの形成は効果的となります。

    実際に、各港湾における検討も進んでおり、2021年から各地域の港湾で検討がはじまり、2022年には27港湾、2地域でカーボンニュートラルポート形成に向けた検討会が始まっています。

    その中の1つである神戸港の検討例(イメージ)をご紹介します。

    神戸港のCNP形成のイメージ図202307_topix2

    出典:神戸市ウェブサイト(https://www.city.kobe.lg.jp/a49918/cnp.html

    ● CNP形成計画の概要:港湾地域の面的・効率的な脱炭素化
    ・2025 年まで:
    これまで進めてきた水素に関する実証事業を拡充し、荷役機械や船舶などへの水素供給を含め、港湾エリアにおける水素利活用に向けた実証を「CNP実証フィールド」として進めていく。また、太陽光等の再エネ導入も進めるほか、海外先進港の調査などを通じて、神戸港の CNP 形成に向けた具体的な道筋を検討。
    ・2030 年まで:
    温室効果ガスの多数を占める「ターミナル外」の臨海部に立地する事業所を中心に、LED 導入、熱の循環利用等の省エネを促進するとともに、荷役機械の電化や工場等の使用電力の再エネ化を促進する。また、実証実験などを経たうえで、荷役機械やトラクターヘッド等の水素利用などを促していく。そのほか、国における水素・アンモニア等の受入拠点、次世代エネルギーへの支援の動向などを見極めながら、サプライチェーン構築に向けた検討を進める。
    ・2050 年に向けて:
    技術開発の進展や次世代エネルギーの導入状況等を考慮し、産業部門のプロセス転換、燃料の脱炭素化等を含め「ターミナル外」の脱炭素化を推進するとともに、「ターミナル内」においても、荷役機械、船舶等における水素・燃料アンモニア等の利用拡大を促進することで CNP 実現への道筋を検討する。
    なお、神戸市が他都市に先駆けて取組みを進める「水素」を中心に据えつつも、船舶燃料として導入が進みつつある LNG や燃料アンモニアの活用のほか、CO2 と水素による e -メタン(メタネーション)といった、その他多様なエネルギー源の活用も並行して進めていく。この際、技術の進歩などの状況変化に臨機応変に対応する「ダイナミックケイパビリティ」の考え方を重視し、CNP 形成を進めていく。

    ● CNP形成計画の概要:水素・燃料アンモニア等のサプライチェーンの拠点としての受入環境の整備202307_topix3
    姫路港をはじめとした周辺港湾の受入拠点を経由し、輸入水素等を神戸港へ二次輸送することを前提にサプライチェーンの検討を行う。このほか、輸入水素だけではなく、国内製造されたグリーン水素の受入についても併せて検討する。

    出典:神戸市ウェブサイト(https://www.city.kobe.lg.jp/a49918/cnp.html

     

    カーボンニュートラルポートに係る国際協力の動き

    カーボンニュートラルポート(CNP)の形成に向け、国際的な協力関係も構築されています。
    ・日米CNP協力(2021年4月)
    日米首脳会談において日米で世界の脱炭素化をリードしていくことを確認するとともに、日米首脳共同声明の別添文書で日米両国がCNPについても協力されることとされた。
    ・日米豪印海運タスクフォース(2021年9月)
    日米豪印首脳会合において、「日米豪印海運タスクフォース」が立ち上げられ、グリーンな海運ネットワークを形成していくこととされた。
    ・クライドバンク宣言(2021年11月)
    国際海運からの GHG 排出削減のため、GHG を排出しないゼロエミッション船が運航される「グリーン海運回廊」の開設を目指すものとして、日本を含む19か国(当時)が署名。
    ・海運・港湾の脱炭素化を促進する共同声明(2022年2月)
    マクロン仏大統領の下でOne Ocean Summitが開催され、その中で停泊中の船舶への陸上電力の供給に最善を尽くすこと、船舶航行の環境配慮の向上に向けた行動を促進すること、にコミットする共同声明が発出されました。賛同国は日本を含む15カ国、署名者は、東京港、横浜港、大阪港、神戸港を含む23者が署名。

    「CNP認証(コンテナターミナル)」制度案

    荷主等から選ばれる競争力のある港湾となるには、サプライチェーンの脱炭素化に取り組む荷主等のニーズに対応するため、港湾ターミナルの脱炭素化への取り組みが重要となってきています。

    港湾ターミナルにおける脱炭素化の取組状況を荷主、船社等が客観的に確認できるよう、国土交通省が中心となり、コンテナターミナルの脱炭素化の取組に関するCNP認証(コンテナターミナル)制度の導入を進めており、荷主、船社等から選ばれESG投資を呼び込む競争力のある港湾を目指します。

    ・認証制度案の骨格案
    この制度の建付けは、脱炭素化の取組の計画を評価する「登録」と、脱炭素化の取組状況を評価する「認証」の2段階となります。
    評価する取組としては、(1)ターミナル内・境界部の脱炭素化の取組(例:低炭素型荷役機械の導入等)と、(2)ターミナルを出入りする船舶・車両の脱炭素化を支える取組(例:船舶への低炭素燃料の供給機能の導入等)を、総合的に評価します。
    2023年度から「施行」がはじまり、国土交通省が外部委託で制度案の評価基準の妥当性、認証機関に求められる能力、体制等を検討し、その試行結果を踏まえ2024年度以降には国際展開を含む「運用」への移行を目指します。

    CNP認証制度で評価する脱炭素化の取組例

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    出典:国土交通省「港湾のターミナルの脱炭素化の取組を評価する「CNP認証(コンテナターミナル)」制度案をとりまとめました」報道資料https://www.mlit.go.jp/report/press/port04_hh_000392.html

    カーボンニュートラルポート(CNP)の形成に向け、認証制度も含め、これから、国だけでなく各地域の港湾で様々な検討や実証が進むものと思われます。
    今後も随時お伝えしてまいります。

       

    当社の物流ソリューションのご紹介

    日本の港湾は、輸出入貨物の99.6%が経由する国際サプラチェーンの拠点であることから、海運は、物資を運ぶ上で重要な輸送モードと言えます。

    当社は、NVOCC(非船舶運送業者)として、お客様のニーズ(リードタイム、コスト等)に適した輸送サービスを提供しています。その中で、海上輸送に関連するサービス、事例をご紹介します。

    海上プライオリティーサービス

    こんなお悩みはありませんか?

    ・入港後、貨物到着まで時間がかかる、時間が不安定
    ・貨物到着予定日が、到着数日前に変更されスケジュールに伴う手配作業が大変
    ・輸送途中のダメージが心配

    当社の「海上プライオリティ―サービス」は、現地集荷の手配から全て「プライオリティ―サービス」品質で国内外一貫対応しています。

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    Point1:短いリードタイム

    東京港入港後、最短で、入港日翌日に引き渡し可能です。お客様指定場所への納品までの日数を従来比1~2日短縮することが可能です。そのため、一般サービスよりも短いリードタイムによる在庫の圧縮と、より速い市場/ライン投入が実現可能です。
    また、倉庫引き渡し時に待機時間が発生しないため、「持続可能な物流」に繋がります。入港後は航空便と遜色ないスピーディな納品が可能です。(一部地域に限る)

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    Point2:スケジュールの安定性(高いスケジュール遵守率)
    スケジュール遵守率の高いサービスにより、安定した商品の供給(取り寄せ)を実現します。
    スケジュール変更がきわめて少ないサービスにより手配工数の削減を実現します。※表1を参照
     
    Point3:高品質サービス(低いダメージ発生率)

    日通NECロジスティクスの一貫輸送により、高品質な自社混載輸送サービスを提供します。※表2を参照

    高品質な自社混載輸送サービスを提供します

    対応可能エリア

    「海上プライオリティーサービス」をご利用いただけるエリアは今後拡大予定です。

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    ※PS:自社混載で「Priority Service」を提供しています。 SS:自社混載で「Standard Service」を提供しています。

    海上輸送/包装改善事例(自動車部品メーカー様)

    自動車部品メーカーA社様は、海外自社工場で生産した製品を自動車組立メーカーB社様の日本国内工場へ納品していました。 A社様は海外工場からの輸送費に着目。物流業者へ頻繁に輸送費見直しを要請し、コスト低減を実現してきましたが、その方法も限界を迎えていました。当社は、包装資材(専用リターナブルコンテナ)をキーとした輸送スキーム見直しの提案を行い、A社様のトータルコスト削減、さらにはB社様にも貢献した事例です。

     

    導入内容

    ・個装用段ボールに代わる専用のリターナブルコンテナを導入
    ・リターナブルコンテナを用いて自社海外工場からお客様先(自動車組立工場)へ海上輸送
     ※リターナブルコンテナは畳んだ状態で自社海外工場へ返却

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    導入効果

    ・個装用段ボールに代わる専用のリターナブルコンテナを導入し、コンテナ1本あたりの部品の積載可能数を改善。
    ・開梱、廃材処理工数も大幅に削減しA社及びB社のコスト削減に貢献。 202307_service1

    ※参考:個装用段ボールからリターナブルコンテナに変更した場合の積載数の比較
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    ※記事の内容は掲載当時のものです。

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