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物流効率化法の規制的措置 -荷主に求められる対応-

2025.05.30

目次

    物流効率化法の規制的措置 -荷主に求められる対応-


    トラックドライバーの働き方改革を契機とした物流の2024年問題に対応するため、2025年4月「物資の流通の効率化に関する法律(物流効率化法)」が施行されました。
    (※) 法律の名称を「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律」から 「物資の流通の効率化に関する法律(物流効率化法)」に変更

    物流効率化法は、荷主企業(発荷主、着荷主)や物流事業者(トラック、倉庫、鉄道、港湾運送、航空運送)に対し、物流効率化のために取り組むべき規制的措置が盛り込まれています。その内容は、主に『積載効率の向上等』、『荷待ち時間の短縮』、『荷役等時間の短縮』の3点が重点となります。

    今回のニュースレターは、2025年2月にお届けした「日本政府の物流革新に向けた取り組み-物流2法改正を解説!-」の続編となります。物流効率化法の中で、2025年4月に施行された荷主に対する努力義務と判断基準について、また2026年4月に施行予定の特定荷主に対する義務についてお伝えします。

    お時間がありましたらぜひお読みください。


    \関連ブログ/
      「日本政府の物流革新に向けた取り組み-物流2法改正を解説!-」(2025年2月)
      https://www.nittsu-necl.co.jp/blog/20250228


     

     

    2025年4月施行 荷主に対する規制的措置(努力義務)と判断基準

    物流効率化法では、貨物の運送契約の有無によって、荷主は、第一種荷主(貨物の運送を委託する場合)や、第二種荷主(貨物の受渡しをする場合)という分類が設定されています。それぞれの立場で努力義務の措置が定められており、物流の効率化に向けて取り組むことが求められています。

    2025年4月に施行された荷主が取り組むべき措置は、下図(上段)の通り、「積載効率の向上等」、「貨物を運送する運転者の荷待ち時間の短縮」、「荷役等時間の短縮」に努めなければならないとされています。その努力義務の達成に向けた具体的な取組内容が、判断基準(省令)として定められています。
    また荷主の取り組みに対し、国の対応としては、下図(下段)の通り、適確な実施を確保するために必要があるときは、荷主事業所管大臣による指導及び助言が行われる場合があるとされています。さらに、荷主のうち特定荷主は、取組が著しく不十分なときは、荷主事業所管大臣による勧告・公表・命令・罰則の対象となる場合があるとされています。

    規制的措置(努力義務の対象)

    202505topix_01

    荷主事業所管大臣による指導や助言

    202505topix_02

    出所:物流効率化法について(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/butsuryu-kouritsuka.html)を基に一部当社作成

    努力義務の達成に向けて、その具体的な内容について、判断基準で定められており、その判断基準に定められている内容(抜粋)は以下となります。

    努力義務と取組内容(抜粋)202505topix_03


    出所:「物流効率化法」理解促進ポータルサイト(https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/sippers/judgment-criteria/)を基に当社作成

    判断基準をより分かりやすくするため具体的に解説された、「荷主判断基準の解説書」(事業者ごと)が策定されています。
    次から努力義務の各項目に関し、荷主判断基準の解説書の中から取り組み内容をご紹介します。

     

    (1)積載効率の向上等(運転者一人当たりの一回の運送ごとの貨物の重量の増加) 

    ①リードタイムの確保202505topix_04

    積載効率の向上には、トラック事業者が貨物の積合せや共同配送、帰り荷(復荷)の確保に取り組むことが必要ですが、そのためには荷主の協力が必要です。
    効率的な運送計画をたてるため、荷主にはリードタイムの短い発注を避けることや、納期に幅を持たせることが求められます。

    出所:物流効率化法について(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/butsuryu-kouritsuka.html

    ②貨物の出荷量および入荷量の適正化

    年、月、週単位等で貨物の発送量や納入量の繁閑差を平準化すること、受渡しの日時の集約等を通じて、貨物の出荷量や入荷量の適正化に取り組むことで、積載効率の向上に繋がります。
    なお、繁閑差の平準化に取り組むことは、顧客のニーズが変わらない限り困難であることが想定されますが、そのような場合は、可能な範囲で納入単位(例:トラック単位、パレット単位等)・回数の集約等に取り組むことが考えられます。

    ③配車計画や運行経路の最適化

    配車計画や運行経路を管理するシステムの導入等により、貨物量に応じたトラックの手配や積合せ配送ができる運行経路の設定を行うことで、積載効率を向上させることが可能となります。なお、システムの導入については、荷主において配車計画等の最適化を効率的に行うためのものを想定しており、物流事業者にその利用を求める規定ではありません。

    ④社内の関係部門間の連携促進

    第二種荷主が上記①~③の第一種荷主の取組に協力するためには、在庫管理の見直し、生産、流通、販売等のスケジュールの変更や、その最適化に必要な商品開発、調達など、貨物の運送又は受渡しに関係する部門間における連携を促進することが求められます。(例:パレタイズを行う際、外装が著しく効率的なパレタイズを妨げる場合、物流部門から商品開発部門へパレタイズに的確な外装サイズ等を予め伝え、外装の見直し等を実施すること等)

    ⑤第一種荷主への協力

    第二種荷主は、第一種荷主の①~③までの取組を円滑に実施するため貨物の受渡しの日、時刻や時間帯についての協議に応じ、必要な協力を行います。
    ①への協力については、製造、配送、販売等の各プロセスにおいて適切なリードタイムが設定できるよう、特にサプライチェーンの下流に位置する第二種荷主が翌日配送依頼や発注締め時間の延長依頼を控えることや、短納期の配送依頼等を必要最小限にとどめることなど、リードタイムの延長や納期に幅を持たせることがリードタイムの確保に繋がります。
    ②への協力については、商品の引取りの前倒しや納入日時・頻度の指定の緩和・分散(午後納品等)を行うことで繁閑差の平準化につながります。

     

    (2)運転者の荷待ち時間の短縮

    ①貨物の入出荷の日時の分散

    荷主が停留場所のトラックの混雑状況を把握した上で、その情報をトラックドライバーに提供し、又は積卸しを予定するトラックドライバーに対して適切な到着時間帯を割り当てることにより、入出荷を分散させることが、荷待ち時間の短縮につながります。 

    ②トラックが到着する日時の調整

    荷主が管理する施設において到着時刻表示装置(トラック予約受付システム)を導入することなどにより、トラックの到着日時を調整することが可能になります。なお、単にシステムを導入するだけではなく、予約状況の見える化による出荷・納品の少ない日時への誘導、必要な予約枠数の確保(発注量の適正化)、利便性と利用率の向上等、現場の実態を踏まえて実際に荷待ち時間の短縮に繋がるような効果的な活用を行う必要があります。
    このほか、トラック予約受付システムによる予約確保時間と実態の作業時間に乖離が生じた場合、後続のトラックの荷待ち時間が生じることがあります。このため、荷役等に係る貨物量を適正に把握し、荷役等時間を想定した予約枠を設けることが重要です。(例:物流部門から、調達部門に対し、調達元へ正確な数量の申告・納入量の適正化・パレット使用を促すような関係部門間の連携など) 

    ③寄託者が管理する施設における貨物の受渡し日時の分散

    荷主は、当該荷主との間で貨物に係る寄託契約を締結した者が管理する施設(以下「寄託倉庫」という。)における荷待ち時間の短縮の努力義務が課せられています。寄託先の倉庫に対する入庫や出庫の発注を早期に行うこと等により、寄託物の入出庫時間を分散させることができます。また、寄託倉庫への早期の発注により、早期発注による倉庫の作業員の庫内作業の時間を十分に確保することも重要です。

    【荷待ち時間の算定方法】

    荷待ち時間の短縮のために荷主が荷待ち時間を把握することが重要ですが、荷待ち時間の算定方法について法第30条で以下のように定められています。
    「荷待ち時間」とは、トラックドライバーが運転業務に従事した時間のうち、集貨・配達を行う場所やその周辺の場所で、荷主、当該場所の管理者、連鎖化事業者の都合により貨物の受渡しのために待機した時間とされています。

    ▶到着時刻・時間帯の指示等がない場合:
     到着時刻(到着後速やかに受付等を行う場合は、その時刻)から荷役等の開始時刻まで

    202505topix_05
    出所:「物流効率化法」理解促進ポータルサイト

    ▶到着時刻・時間帯の指示等があった場合
     ・指示された到着時刻・時間帯よりも前に到着した場合:
      指示時刻等から荷役等の開始時刻まで

    202505topix_06
    出所:「物流効率化法」理解促進ポータルサイト

     ・指示された到着時刻・時間帯内に到着した場合
      当該到着時刻(到着後速やかに受付等を行う場合はその時刻)から荷役等の開始時刻まで

    202505topix_07
    出所:「物流効率化法」理解促進ポータルサイト

     ・ 指示時刻・時間帯よりも後に到着した場合:
      当該到着時刻(到着後速やかに受付等を行う場合はその時刻)から荷役等の開始時刻まで

    202505topix_08
    出所:「物流効率化法」理解促進ポータルサイト

    また、トラック事業者の運行等の都合で指示時刻等より遅く到着した場合、
    ①    通常生じる範囲の荷待ち時間(到着の遅れにかかわらず生じる荷待ち時間)については荷待ち時間に該当します。
    ②    トラックドライバーの到着の遅れに起因して荷役等の順番が後ろ倒しとなり生じた追加的 な荷待ち時間は、「荷主等の都合」によるものでないため、荷待ち時間から除外できます。また、天候や交通事情等により荷主等の責任によらず生じた荷待ちについては、①のケースを除き荷待ち時間から除外できます。

    出所:「物流効率化法」理解促進ポータルサイト(https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/method/)

     

    (3)運転者の荷役等時間の短縮

    ①荷役等の効率化

    パレットやロールボックスパレット(カゴ車)などの輸送器具を導入することによりバラ積み・バラ卸しを避けることで荷役等を効率化させることができます。その際、パレット単位で輸送できる発注数や納品数に集約するよう、関係者間で調整を行うことが望ましいです。
     一貫パレチゼーション(施設内での保管から発送、着地での荷卸しまで別パレットへの積替えをせずに同一のパレットを用いることを指す)の実現により、一層の荷役等の効率化が図られます。これに向けて、標準仕様パレット、その他の標準化された規格に適合するパレットやこれに適合する包装資材を使用すること、レンタルパレットを活用すること等が推進されています。 
    なお、一貫パレチゼーションを目指す対象範囲としては、この「パレット標準化推進分科会最終とりまとめ」において、「製造業の工場や生産者等の施設から卸売業・卸売市場の物流施設等までが中心」であり、原材料等の調達の場面や、卸売業・卸売市場の物流施設から小売業の物流施設や店舗までの区間についても、今後の推進が期待される範囲と整理されています。

    【参考】特に一貫パレチゼーションを目指す対象範囲

    202505topix_09
    出所:パレット標準化推進分科会 最終とりまとめ(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/seisakutokatsu_freight_tk1_000200.html

    ・ 貨物の積卸し時の順序や荷姿を想定して、パレット輸送等に適した規格での生産、フォークリフト等で扱いやすく検品しやすい荷造り(例:積卸しの順序を想定した配置を行う、賞味期限や製造ロット、バーコードが外から見えるように積みつける等)なども荷役作業の省力化につながります。

    ②検品の効率化

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    事前出荷情報(ASN)を活用することで、伝票レス化・検品レス化(ユニット検品)を図ることができ、検査を効率化することができます。また、ASNの活用に限らず、貨物に係る詳細の情報(例:貨物の容積、数量、重量、寸法等の情報、施設の情報、寄託者や運送事業者に関する情報等)を事前に第二種荷主、倉庫業者又はトラック事業者に伝達することも重要であり、検品や荷役の効率化につながります。

    出所:物流効率化法について(経済産業省)
    https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/butsuryu-kouritsuka.html

    バーコード、RFタグ、専用タグ等を識別するハンディターミナルや専用の商品読込みカメラ、バーコードラベルの印刷機といった機械の導入、検品水準の見直しやマニュアル化、管理単位の統一、外装・梱包の標準化・簡素化などによる検品の効率化も考えられます。

    ③荷役等の環境整備

    バース等の荷さばき場について、受け渡す貨物の量に対して適正な広さの確保、整理整頓、利用ルールの最適化等により、適正に場所を確保することで、作業を効率化させることができます。

    【荷役等時間の算定方法】

    荷役等時間の算定方法について法第30条で以下のように定められています。
    「荷役等時間」とは、トラックドライバーが行う荷役その他の附帯業務に従事した時間となります。


    「荷役等」に含まれる業務…
    トラックドライバーが行う荷役(荷積み及び荷卸し)、検品、荷造り、搬出・搬入(入出庫や棚入れ・棚出し)、保管、仕分、商品陳列、ラベル貼り、代金の取立て・立替え、荷主等が行う荷役への立会いその他の通常運転業務に附帯する業務


    「荷役等時間」の算定方法は、ラックドライバーが荷役等を開始した時刻から終了した時刻までの時間(荷役等に従事していない時間を除く)となります。

    202505topix_11202505topix_12

    出所:「物流効率化法」理解促進ポータルサイト(https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/method/)

     

    (4)実効性の確保

    ①責任者の選任などの体制の整備や従業員に対する研修の実施

    自社における物資の流通全体を統括管理するとともに、従業員に対する研修等を行い、物流効率化の実施体制を整備する責任者が必要となります。特定荷主の場合は物流統括管理者を指しますが、これに加え、現場ごとに責任者を置くこと等も考えられます。

    ②荷待ち時間等や積載効率の状況、効率化のための取組の実施状況・効果の把握 

    荷主は、トラックドライバーの荷待ち時間等の短縮及び積載効率の向上等の状況や、改善に向けた取組及びその効果を適切に把握することが求められます。特に、荷待ち時間等の短縮の実施に当たっては、荷主自身が当該時間を把握し、どの程度改善する必要があるかを認識することが重要であり、物流効率化の取組に対する取引先等の協力を求める際にも改善の必要性を示す上で有用です。特定荷主については、荷待ち時間等の状況や取組の実施状況等を定期報告において報告することとなりますが、それ以外の荷主においても現状の把握に努めるようにされています。

    ③寄託先の倉庫における荷待ち時間等を短縮するための提案と協力

    荷主の努力義務として荷主が短縮すべき荷待ち時間等は、寄託先倉庫も対象となっています。
    荷主は、荷待ち時間等を短縮するための取組みを寄託先に提案し、また、寄託先から入出庫日程・量の調整や定時便の設定などに関する提案を受けた場合にあってはその提案に応じるなど、必要に応じて寄託先と協力・連携する必要があります。

    ④物流データ標準化等を通じた物資の流通に関する多様な主体との連携の円滑化 

    標準化を推奨するデータとしては、貨物の荷姿(サイズやパレット化の有無等)、数量、重量等に関する情報、貨物を運送する車両の情報、貨物の受渡しを行う施設の情報(法人番号や事業所別のコード)等を想定しています。なお、具体的に事業者が目指すべきデータ標準については、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「スマート物流サービス」で策定された「物流情報標準ガイドライン」に示されております。
    これらのデータの標準化により、発・着荷主やそれぞれの取引先企業、物流事業者、利用運送事業者等の多様な主体との連携が円滑化されることが望まれます。

    ⑤物流サービスに応じた価格の把握

    第一種荷主と第二種荷主との商取引等において、店着価格制ではなく、物流サービス水準を明確化し、速達や追加の荷役など物流サービスの高低に応じて物流コスト分の価格を上下させるメニュープライシング等の取組を導入することで、取引先の事業者が附帯業務に対する追加料金等の物流コストを認識することができます。これにより、物流効率化に配慮した第二種荷主等の発注のインセンティブとなることが期待されます。

    ⑥関係者との連携

    物流効率化を効果的に行うためには、関係者との連携を図ることが必要であり、その連携の具体例としては、以下のものが考えられます。
    ・国が物流効率化に取り組む事業者を支援するために行う、調査・助言・援助に関する情報提供や技術開発の推進・普及などを活用すること。
    ・消費者に対し、再配達削減の重要性や、物流効率化のための取組の結果として品揃えや納品時期に影響が及ぶ場合があることへの理解の増進を図ること。
    ・関係団体において、情報交換や共同での取組を進めること。
    ・発荷主・着荷主間を始めとする関係事業者間で物流効率化の取組の実施に向けて調整し、必要に応じて取引先に協力を求めること。 等

    つづいては、2026年4月から施行予定の「特定荷主」に関する情報をご紹介します。

     

    2026年4月施行予定 特定荷主の義務

    指定基準値「取扱貨物の重量9万トン以上(予定)」の荷主は、特定荷主として指定され、図のように中長期計画の作成や定期報告、物流統括管理者(CLO)の選任の義務が生じます。これらの2025年4月時点での検討状況をご紹介します。

    特定荷主の義務

    202505topix_13

    出所:物流効率化法について(経済産業省)
    https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/butsuryu-kouritsuka.html)を基に当社作成

     

    A.中長期的な計画の作成

    特定荷主は、定期的に判断基準を踏まえた措置の実施に関する中長期的な計画を作成することが義務付けられています。
    作成期間は毎年度提出することを基本としつつ、計画内容に変更がない限りは5年に一度の提出としています。

    記載内容は判断基準で示す取組事項を踏まえ、「運転者一人当たりの一回の運送ごとの貨物の重量の増加」、「運転者の荷待ち時間の短縮」、「運転者の荷役等時間の短縮」に関し、以下を記載します。
    〇記載内容
    ①    実施する措置
    ②    具体的な措置の内容・目標等
    ③    実施時期等
    ④    参考事項

    規定による提出をしなかったときには、五十万円以下の罰金が科せられます。

    参考:中長期計画の様式イメージ
    202505topix_14

    出所:物流効率化法について「荷主向け説明会」(経済産業省)
    https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/butsuryu-kouritsuka.html

     

    B.定期報告

    特定荷主は、指定を受けた翌年度以降の毎年度、「努力義務」の実施の状況に関して、以下の事項を報告する必要があります。

    〇記載内容
    (1)事業者の判断基準の遵守状況(チェックリスト形式)
    (2)判断基準と関連した取組に関する状況(自由記述)
    (3)荷待ち時間等の状況

     特に、荷待ち時間等の状況の報告については、特定荷主自身が荷待ち時間等の現状を計測・把握し、どの程度改善する必要があるかを認識することが狙いとなっています。
    荷待ち時間等の状況の記載方法に関する具体的方法は、以下となります。

    荷待ち時間等の状況の記載方法について

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    出所:「物流効率化法」理解促進ポータルサイト(https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/regular-report/)

    参考:定期報告の様式イメージ
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    202505topix_18
    202505topix_19

    202505topix_20

    出所:物流効率化法について「荷主向け説明会」(経済産業省)
    https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/butsuryu-kouritsuka.html

     

    中長期計画や定期報告に関する、国への提出時期のイメージは以下となります。

    202505topix_21

    出所:物流効率化法について(経済産業省)
    https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/butsuryu-kouritsuka.html

     

    C.物流統括管理者(CLO)の選任

    特定荷主は、物流統括管理者の選任が義務付けられています。
    物流統括管理者には、物流全体の持続可能な提供の確保に向けた業務全般を統括管理する役割が求められます。
    運送(輸送)、荷役といった物流の各機能を改善することだけではなく、調達、生産、販売等の物流の各分野を統合して、流通全体の効率化を計画するため、関係部署間の調整に加え、取引先等の社外事業者等との水平連携や垂直連携を推進すること等が求められます。これらの観点から事業運営上の決定を主導するため、ロジスティクスを司るいわゆるCLO(Chief Logistics Officer)としての経営管理の視点や役割も期待されています。
    特定荷主が物流統括管理者を選任しないときには、百万円以下の罰金が科せられます。また、選任の届出を怠ったときは、二十万円以下の過料に処せられます。

    物流統括管理者の要件と業務内容は以下のとおり定められています。
    202505topix_22

    出所:「物流効率化法」理解促進ポータルサイト(https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/clo/)

     

    勧告および命令

    202505topix_23特定荷主は、努力義務として課せられる措置に関する状況が、国が示す判断基準に照らして著しく不十分である場合、国から当該措置をとるべき旨を勧告されることがあります。勧告に従わなかったときはその旨が公表され、さらに、正当な理由なく措置をとらなかったときは、当該措置をとるべきことを命令されることがあります。
    なお、命令に違反したときには、百万円以下の罰金が科せられます。


    出所:「物流効率化法」理解促進ポータルサイト(https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/recommendation/)

    なお、国は、トラックドライバーの運送・荷役等の効率化のために必要があると認めるときは、荷主等の判断基準に関して調査を行い、その結果の公表を行うこととされています。
    物流事業者(トラック、倉庫等)を対象として、優良な取組状況の把握や物流改善の促進を目的とした定期的なアンケート調査を実施し、その回答に基づいて抽出した主要な荷主等の取組状況について、回答を点数化し、点数の高い者・低い者も含め公表する予定です。ただし、点数の低い荷主等の公表の検討に当たっては、当該荷主等の取組状況をヒアリングする等適切に実態を把握し、必要に応じて点数を見直すとされています。

    これまでご紹介した物流効率化法に関連する動きについて、今後のスケジュール(想定)は以下となります。

    202505topix_24

    出所:物流効率化法について「荷主向け説明会」(経済産業省)

    https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/butsuryu-kouritsuka.html

    以上、ここまで物流効率化法の中で、荷主に対する規制的措置に関してお伝えしました。

    当社でも物流二法(物流効率化法と改正貨物自動車運送事業法)の改正に伴い、規制的措置に対応すべく社内点検・法令対応、日々の安全配慮や定期的教育など対応を図っております。お客様の効率化に繋がるよう、混載便によるネットワーク網での輸送サービスのご提供や、お客様の輸送網見直しのご提案等も行なっております。物流でお悩みのことがございましたら、ご相談ください。

    (執筆は2025/5/27時点で、情報は変わる可能性があります)

    ここからは、当社の物流ソリューション・サービスについてご紹介します。

     

    当社関連サービスのご紹介

       

    当社の物流ソリューション・サービス

    様々な精密機器を取り扱ってきたノウハウで、お客様の調達・生産・販売・回収を支える当社のソリューション・サービスマップをご紹介します。輸送から保管、フォワーディングまで、どんなお悩みでも、お気軽にご相談ください。

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    お知らせ:【期間限定】試験料金 割引キャンペーンのご案内

       

    中型恒温恒湿室リニューアル記念!試験料金が今だけお得に!

    このたび当社では、2025年6月に中型恒温恒湿室をリニューアルいたします。これにより、従来の中型機よりも広範な温湿度条件に対応可能となります。
    このリニューアルを記念して、期間限定で試験料金の割引キャンペーンを実施いたします。ぜひこの機会にご利用ください。

    恒温恒湿室とは
    恒温恒湿室は、試験材料を一定の温湿度環境下で安定させることで、評価試験の再現性や信頼性を高めるための装置です。
    また、昼夜の温湿度差を再現する温湿度サイクル試験にも対応しており、製品の環境耐性評価にもご活用いただけます。

    新規導入機の特長
    •    温度範囲:-40℃ ~ +80℃
    •    湿度範囲:10% ~ 95% R.H.
    •    室内寸法:W1,970 × D1,970 × H2,100(mm)
    •    扉有効寸法:W1,400 × H1,800(mm)
    •    床耐荷重:600kg/㎡

    info_1                                   図:導入機の温湿度範囲

     

    キャンペーン内容
    📌 対象試験:恒温恒湿室(中型機)を使用した評価試験
    📌 実施期間:2025年7月末ご発注分まで
      1.    試験料金を通常価格より26%OFF(1,400円/h)にてご提供
      2.    恒温恒湿室を併用した各種試験も通常価格より10%OFF

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    この機会にぜひ、当社の試験サービスをご利用いただけますと幸いです。
    詳細や適用条件につきましては、どうぞお気軽にお問い合わせください。

     
     

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