News Letter
2022年8月号
トピックス(デジタル田園都市国家構想)
デジタル田園都市国家構想とは?
「デジタル田園都市国家構想」は、2021年10月に岸田内閣から発表され、基本方針が2022年6月に閣議決定された国家戦略です。
デジタル田園都市国家構想は、デジタルによる地域活性化を進め、地方から全国へ、ボトムアップの成長実現を目指すものとなります。デジタルについて、地方の社会課題(人口減少、過疎化、産業空洞化等)を解決するための鍵であり、新しい付加価値を生み出す源泉と捉えていて、デジタルインフラの急速な整備を図るとしています。
構想実現の為、以下の取り組み方針4点が挙げられています。
構想実現に向けた取り組み方針
- デジタルの力を活用した地方の社会課題解決
- デジタル田園都市国家構想を支えるハード・ソフトのデジタル基盤整備
- デジタル人材の育成・確保
- 誰一人取り残されないための取組
取り組み方針それぞれで、KPI(重要業績評価指標)が定量的に設定されていて、達成に向けた進捗の把握・フォローアップが行われていきます。
取り組みの1つとして、海底ケーブルで日本を周回する「デジタル田園都市スーパーハイウェイ」について今後3年程度で実現する構想も打ち出しています。
各地に設置する大規模データセンター、光ファイバー、5Gと組み合わせ、日本のどこにいても高速大容量のデジタルサービスを利用できるようにするといった内容です。岸田首相は、世界最先端のデジタル基盤の上で、自動配送やドローン配送、遠隔医療、教育、防災、リモートワーク、スマート農業などのサービスを実装していくと表明しています。
物流に係るデジタル実装
自動配送やドローン配送が可能となると、物流における労働力不足(※1)への対策として有効となります。さらに、ドローン配送が実現すると離島や過疎地域への配送、災害発生時での活用が期待されます。
すでに自治体、民間企業では、生活品、医薬品、郵便物などで実証実験が進められています。
ドローンに関する飛行環境の整備は進んでいて、2022年度末までに飛行実現のレベルを「レベル4」に引き上げる計画がされています。レベル4になると、有人地帯において補助者なしでの目視外の自動・自律飛行が可能になりますので、ドローン配送の社会実装がより現実味を帯びてきます。

自動配送やドローン配送導入への動きは進んでいて、2022年は物流に関連した日常の風景が変わる節目となりそうです。
公共交通・物流・インフラのデジタル実装について、基本方針の文中では29もの具体的取り組みが紹介されています。もっと詳しく知りたいという方はこちらのリンクもご参考にされてみてください。
内閣官房HP「デジタル田園都市国家構想基本方針」
(※1)物流における労働者不足
トラックドライバーは中高年層の労働力に強く依存している状態で、50歳以上のドライバーは全ドライバーの40%強を占め、2027年にトラックドライバーの大量定年という課題を抱えている。また、全産業に比べて低賃金・長時間労働と言われており、若年層のなり手が少ないと言われている。
物流危機に関する当社メルマガです。ご興味ある方はぜひお読みください。
「物流の2024年問題」(日通NECロジスティクスNewsLetter2022年11月号)
精密機器向け包装・梱包ソリューション
世の中がデジタル実装されていく際には、アプリケーションなどのソフト面だけでなく、様々な情報通信機器や装置などが増加/更新されることになります。当社の「包装・梱包ソリューション」では、今後ますます増加・高度化していくデジタルインフラ関連機器などの精密機器を、製品の特性・輸送方法に応じた最適(コスト・品質)な包装・梱包提案で、市場に届けるお手伝いをさせていただきます。
包装設計を見直すことにより、調達、生産、出荷、顧客納品までの各シーンで、物流コストの改善が見込めます。また、近年ではSDGsやカーボンニュートラルへの取り組みからCO2排出量の削減にも注目が集まっていますが、包装設計の見直しはCO2削減にも効果があります。
当社の強みは、コンサルティング、包装設計、試作、評価試験までを自社内で行い、資材販売まで含めたサービスをワンストップで提供できることです。設計⇔試作⇔評価 を自社で対応するため、リードタイム短縮が可能です。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。


お取引いただいている業種
・通信機器製造メーカー様
・制御装置製造メーカー様
・検査機器製造メーカー様
・医療機器製造メーカー様
・自動車メーカー様
・自動車部品製造メーカー様
・一般産業用機械製造メーカー様
・複写機製造メーカー様
その他、様々な業種のお客様にご利用いただいております。
ドローンなどの小型無人航空機の梱包設計の事例もございます。
ご興味がございましたら、ぜひ当社営業、または当WEBサイトの「お問合せ」よりご連絡いただけましたら幸いです。
物流コンサルティングソリューション
荷主の皆様は、技術革新や労働者不足など、物流事業環境の変化へ対応すべく様々な戦略を策定・実行されているのではないでしょうか。
当社はNECの物流子会社として、長年電機精密業界で培ったノウハウを元に、お客様の物流改革を支援するコンサルティングを行っております。物流のあるべき姿の策定、物流改革、業務効率化、梱包改善などをご支援します。
こちらの事例は、お客様のSCM最適化を支援させていただいた事例です。まとめ生産から、需要連動した生産と在庫管理に切り替え、在庫削減及び生産リードタイム短縮に繋げた事例になります。
このほか、様々な事例がございますので、ご興味がありましたらお気軽に当社営業、または当WEBサイトの「お問合せ」よりご連絡いただけましたら幸いです。

フォワーディングニュース(航空輸送)
欧州向け
・旅客需要の回復による復便は鈍化しており、ベース運賃の水準は引き続き高止まりしています。
・8月中旬時点でオランダ向けの混雑が始まっておりスペース状況はひっ迫しています。
米国向け
・上海ロックダウン解除後、急激なアジア発北米向けの荷動きが現時点で見られないため、輸出貨物需要はやや低調に推移しています。
・現行の西海岸労使協約は6月30日をもって失効しており、今後の労使交渉によっては 市況が大きく変わる可能性があり、注意が必要です。
アジア向け
・中国向けは、上海向け需要が完全に戻っていないことから、スペースは潤沢ではないものの、滞貨は発生しておりません。中国他空港向けも同様の状況にあります。
・香港向けは、スペースに比較的余裕があります。
・台湾向けは、8月もCI(チャイナエアライン)の定期フライトでの一部運休とダウングレードが継続しております。日曜日のCX(キャセイパシフィック航空)005便フライトのTPE(台湾桃園国際空港)抜港も継続しております。また、半導体関連需要が旺盛なため、非常にスペースがタイトな状況にあります。
・韓国向けは混雑傾向が継続しております。
・南アジア向けは、海上輸送からのシフト需要が落ち着いたため、貨物需要は低調に推移しています。ウクライナ情勢によるアジア系キャリアへの貨物迂回の影響により、新興国向けのマーケットレートは高止まりしている状態です。
編集後記
今回も、当ニュースレターをお読み頂きありがとうございます。
今回のトピックスはデジタル田園都市国家構想でした。
利便性のよい都市部に住んでいると買い物や通院などで不便を感じることはあまりありませんが、過疎化が進んでいる地域では、買い物など日常生活における不便を解決するため、ドローン配送の実証が進められているそうです。
また、先日、牛の繁殖活動の中でドローン配送の実証が行われているニュースを目にしました。ドローン配送の実証で、従来は難しかった広域流通の可能性を検証するそうです。いつの日かドローンを活用して繁殖された和牛が食卓に並ぶ、という日がくるのかと想像しました。
デジタル田園都市国家構想という名前だけ聞くと、まだまだ関連が低いように思えますが、実証が進むことで徐々に日常になっていくのかもしれません。
まだ暑さが続いておりますので、皆様もどうぞご自愛ください。
ニュースレターはWEBからもお読みいただけるようになりました。
ご興味ありそうな方へご紹介いただけましたら幸いです。
6月号 上海ロックダウン後の物流
7月号 気候変動に関連した情報開示動向
8月8日号 インフラの老朽化問題