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Nittsu NEC Logistics News Letter
2022年10月号

INDEX

   

トピックス:タイの国家戦略「タイランド4.0」と「EEC」

タイの国家戦略「タイランド4.0」

 タイは製造業の産業集積、ASEAN域内における貿易自由化を背景に経済成長が進んできましたが、「中所得国の罠」に直面したことから「タイランド4.0」の政策導入を進めました。
「タイランド4.0」は、2015年に策定され、20年をかけて2036年までに高所得国入りを目標とする長期ビジョンの政策となります。産業の高度化、高付加価値を図るべく、インフラ開発の促進、ターゲット産業への投資を拡大することで、持続的な経済成長を目指しています。
具体的なターゲット産業としては、12分野があり、以下となります。

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タイランド4.0の中核戦略:東部経済回廊(EEC)

 バンコク東部に位置するチョンブリ県、ラヨン県、チャチュンサオ県の3県を、東部経済回廊「Eastern Economic Corridor(以下、EEC)」の投資優遇地とし、集中投資、インフラ整備を行い、先端技術産業・企業の誘致を目指しています。

投資優遇策としては、法人税に関わる恩典として、人材育成もしくは特定地域への投資を行うことで、通常の投資恩典である法人税減免(最長10年間)に加え、法人税の減免や免除期間の追加など税制上の優遇が受けられることになります。

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 タイにおいては、タイランド4.0をはじめとした、海外企業の誘致に向けた、様々な戦略が行われています。タイでは海外企業の誘致や産業基盤育成強化を目的とし、従来よりBOI(タイ投資委員会)投資奨励策が行われてきました。
 当社タイ社では、BOI申請業務代行、管理業務代行等を行う、BOIマネジメントサービスもございます。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

   

タイ社物流サービスのご紹介

   

フリーゾーン(FZ) 活用サービス

 タイ社では、税関管轄のフリーゾーン(以下、FZ)倉庫を運営しています。
FZとは、海外へ再輸出される外国貨物は関税・VAT(付加価値税)の課税が免除されるなど、企業は税制上の優遇措置が受けられます。

【想定物流フローとタイ社FZ倉庫の機能】
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【倉庫ロケーション】
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FZを活用した非居住者在庫運用

 非居住者在庫運用とは、タイに法人を持たないお客様が、タイ国内に非居住者として資産を持ち、在庫保管が可能となることです。タイ国内外から部材調達や国内外への製品販売が可能となり、タイ国内向けの即納体制やタイをハブ倉庫とした製品販売など、様々な物流効率化に繋がります。

非居住者在庫運用のメリット
  • 輸出型:海外工場資産をタイムリーに本社等の資産とすることができ、かつ必要なタイミングで販売国への輸送が可能。
  • 輸入型:非居住者在庫運用により、輸送網の不測の混乱に影響されない安定した部品供給を実現。
非居住者在庫運用の活用事例
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バンコク→成田 ULDインタクトサービス

 タイ(バンコク)において、当社グループ施設で積み付けを行ったULD単位で日本(成田)まで航空一貫輸送サービスのご紹介です。
バンコク→成田路線においてULDインタクト輸送を行える日系フォワーダーは限られており、高品質、高セキュリティ、最短リードタイムでの輸送を提供します。

ULDインタクトサービスのポイント
  • 積付け・積下し作業回数が最小限かつ熟練したスタッフが作業することにより、ダメージ発生リスクが大幅に軽減
  • 発着間を当社グループ施設内及び責任下の一貫輸送体制によりセキュアな輸送を実現
  • 航空会社とULD単位での貨物の引渡し、引取りを行うため、配送までのリードタイムを大幅に削減
ULDインタクト輸送と従来の輸送方法の比較
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上記サービスのチラシをお送りします

ご希望の方は以下のフォームよりお申込み願います。

   

フォワーディングニュース(航空輸送)

欧州向け

・冬季航空運賃動向は、ロシア上空を回避するための迂回に伴うコスト増加も続き、緩やかな値下がりに留まります。一方で貨物需要は停滞傾向にあります。

米国向け

・現行の西海岸労使協約が6月30日をもって失効しており、今後の交渉次第では市況が大きく変わる可能性があるため、継続して注意が必要です。
・北米東岸での混雑および西海岸における鉄道接続の遅延の影響により、中西部・南部向けを中心に海上貨物が航空輸送へシフトする可能性があり、注意が必要です。

アジア向け

・中国向けは、上海向け貨物需要が完全に戻っていないことから、スペースは潤沢ではないものの滞貨も発生していません。中国他空港向けも同様の状況です。ただし、国慶節後は突発的にスペースタイトとなる可能性もあります。
・香港向けは、スペースに比較的余裕があります。
・台湾向けは、香港向けCX(キャセイパシフィック航空)005便の日曜フライトが10月も台北経由で運航することが決定しました。
・韓国向けは、混雑傾向が続きます。9月より各社がソウル/金浦線の受託を開始していますが、旅客便のため混雑傾向を完全に解消するには至っていません。成田発、関空発ともに早めフライトの需要が強いです。
・南アジア向けは、海上貨物の航空輸送へのシフト需要が落ち着き、全体的に貨物需要は低調気味ですが、半導体設備関連、一部自動車関連は好調です。引き続き需給バランスが安定している状況にあります。
・ウクライナ情勢によるアジア系キャリアへの貨物迂回の影響により、新興国(パキスタン)向け航空運賃は高止まりしています。

   

フォワーディングニュース(海上輸送:マーケット状況)

直近の動向

・コンテナ市況の軟化もあり、本格的なサービス休止に踏み切る動きも一部あります。特に北米航路での今後の船腹量減少の懸念もある状況です。

主なポイント

・8月の荷動きは北米向けを中心に伸長しました。ただし、小売り関連は米国内の在庫が溜まっていることから、今後やや勢いを落とすと予想されます。欧州は、前年同月比減となっています。

・運賃は、船腹需給の緩和により、スポット運賃に下方圧力がかかり、運賃市況の軟化が続いています。
日本発はスポット運賃中心のアジア発に比べ年間契約が多く、東西基幹航路の直航便が少ないことも高値維持の要因となっています。インフレやエネルギー危機により、欧州の消費需要は米国に比べ低調になっていることから、需給緩和により運賃市況は軟化傾向です。他、上海発日本向けでは、9月は8月から 1.6 ~2.5%増となっています。

編集後記

 今回も、当ニュースレターをお読み頂きありがとうございます。

 近年は新型コロナウィルスの影響で海外への渡航、海外の方の来日が難しい状況にありました。10月からは、入国規制が緩和され、コロナ禍前の状況に徐々にもどろうとしています。
私は旅行に行けない代わりに、オンラインツアーを利用していました。子どもと一緒にナイロビ国立公園ツアーやフランスツアーなど、画面を通して様々な国の観光を気軽に楽しめることは魅力的でしたが、自分で現地へ行ける楽しみが戻りうれしい限りです。
今回トピックスでは「タイ」を取り上げました、ほほえみの国と言われるタイへいつか行ってみたいと思います。

ニュースレターはWEBからもお読みいただけるようになりました。ご興味ありそうな方へご紹介いただけしたら幸いです。

 6月号  上海ロックダウン後の物流
 7月号  気候変動に関連した情報開示動向
 8月号  デジタル田園都市国家構想
 8月8日号 インフラの老朽化問題
 9月号  CO2排出量削減における貨物鉄道への期待